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闘将 [吉田安夫]

「闘将」吉田安夫

青森山田の吉田先生の本。
今回、闘将を読み直して、「他の人はどんな感想をもったのだろう」とamazonを検索してみた。すると、なんと新品は売り切れており、入手できなくなっているではないか。ショックを受けた私は、なんかあせって、何か残しておかなければ、と妙な使命感を感じ、このブログを立ち上げた。

他競技もあわせて、同じ高校スポーツ界の指導者で、インターハイ、国体、選抜をあわせて100回以上の優勝など、ありえない記録である。空前絶後。他競技も含めて、吉田先生の記録を追い越せる人はもう二度と現れないことだろう。
吉田先生ももう78歳。吉田先生のノウハウをなんらかの形で残してほしい。そんな気持ちで、今回この本を読み直した。そして、感想。

この本を買った人の大部分は「常勝青森山田」の秘密を知りたくて買ったのではないか。強いチームを作ろうと思って、この本を買った人は多いに違いない。ところが、この本には強くなる秘訣はまったくと言っていいほど載っていない。あっても精神的なことだけ。この本を読んでも、吉田先生の選手の育て方の具体的なことは何もわからないだろう。ひたすら吉田先生の記憶にそって(吉田先生の記憶はすごいらしい)淡々と、熊商、深谷、山田での歴史が書いてある。特に、固有名詞の多さはびっくりするほどだ。

いつか、岩崎さんが「自分は全日本で優勝したので、どんなことが書いてあるのかなあと楽しみにして読んでみた。すると、自分のことはあっという間に終わっていた」と冗談交じりに言っておられた。実際、ほんとにそんな感じ。特別なことは何にも書いてない。そんな本である。

表紙がひどい。吉田先生の頭に炎の王冠をかぶらせ、何を考えてこの表紙を作ったのかあきれてしまった。以前、「ザ卓球」という催しがあって、そのビデオを見たことがある。ワルドナー(あれ?パーソンだったかな?)とユーナムキュ(だったような・・・)に宇宙人の服みたいなのを着せて試合をさせていた。見世物としか見えないようなその催しを卓球界の人たちはこぞってほめたたえており、そのセンスにゾッとしたのを覚えている。その催しをほめちぎるコメントのひとつひとつに、「え?大丈夫?」と感じた。まさにあの感覚の表紙である。

以前、青森山田の練習を見学させていただいたことがある。三田村くんたちが1年生で衝撃のインターハイ優勝を飾って半年後くらいだったと思う。練習開始前にみんなで練習場のそうじをするのだが、今をとくめく(というイメージの)三田村くんたちが、そろって雑巾がけをするのである(なぜか宋くんだけは特別扱い(?)で雑巾をしていなかった)。そうじが終わるとみんなで台を並べるのだが、横からキャプテンの田勢くんが指示をして、それこそ1mmもずれないような感じできちんと並べていた。
吉田先生の練習はきっとぴりぴりした雰囲気なのだろうと思っていた。ところが、(もちろん緊張感はすごかったが)みんな楽しそうに、しかも真剣に練習していた。いいボールが入るとみんなでほめあう。今までいくつかの場所でいろいろな練習を見せていただいたが、未だにあの山田の練習を超える練習を見たことがない。昇り竜の勢いというのか、ほんとうにいい練習をしていた。
で、吉田先生は何をしていたか、といえば、ひたすら台の間を回って、声をかけ続けておれた。片時も休むことなく動き続けて、練習の間、まったく腰をおろすこともない。ひたすらぐるぐると回っておられる。ひまがあると、モップを持ち出して、床のそうじをされる。ほんとうにまったく休まれることがなかった。
ところが、そんな練習の雰囲気を感じさせる内容はこの本にはまったく載っていない。
吉田先生は卓球界の宝である。なんとか、吉田先生の指導のすべてをビデオや本にとどめておくことはできないものか。そんな想いをもちながら、この本を読んだ。

8章に「忘れ得えぬ人々」という項目があった。これまた、特別なことが書いてあるわけではないのだが、吉田先生がいろいろな方々に感謝しておられることがよくわかる文章だった。吉田先生ならではと感じた。

ところが、同じ本を読んでも、読み方が違う人がいた。名前はわからない。今回、インターネットでこの「闘将」の感想を探していたら、あるおもしろいブログを見つけた。「卓球で強くなりたい」http://takuron.sblo.jp/category/862834-1.htmlというブログで、たどたどしい日本語だったが、私よりしっかりこの本を(吉田先生の気持ちを)読み取った文章だった。

今、とにかく、少しでも多く、吉田先生のノウハウを残しておきたい。そんな想いでいっぱいである。そんな想いでこの文章を書いた。

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