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卓球シングルス戦略&練習メニュー [練習法]

佐藤真二監修
日東書院

フットワークに関する練習法が50。
サービス練習が11。
レシーブ練習が8。
5球目攻撃が7。
4球目攻撃が7。
合計83種類の練習法が載っている。

フットワークは多球練習ではなくて、1球での練習を前提としているようだ。
とすれば、これらの練習ができることそのもので、けっこうなレベルでなくてはならない。
フットワーク部門は3つに分かれている。

1つめが基礎のフットワーク。
相手がバックでブロックするのを基本に、23種類が紹介してある。

2つめが正確に打ち分けるためのフットワーク。
これはコースの打ち分けの練習のため練習相手もかなりの技術水準が必要か。
14種類。

3つめが相手の攻撃に応じたフットワーク。
ランダムを入れてある。
13種類。


どれも写真もごく少なく、台の図がほとんど。濃縮したら、20ページには収まりそうだが、この練習をきちんとこなしてみないと本当のこの本の価値はわからないのかもしれない。

ほんとうにまったく関係ないのだが、
初版第1刷が2011年10月25日。ガロアの生誕200周年の日である。

スウェーデン卓球最強の秘密 [練習法]

イエンス・フェリッカ グレン・オースト 共著

TSPトピックス編集の貴重な本。
ツンストロム監督当時、ワルドナーやパーソン全盛期のスウェーデン卓球の考え方を書いてある。
7分半毎に攻守を交代する練習時間や当時ファルケンベリをよばれたフットワークなどが一世を風靡した。
このファルケンベリがこの本でははやぶさフットワークとして紹介されている。送り手はバック側に2本、フォア側に1本送る。受け手はバックハンド、回りこんでフォア、とびついてフォアの順番でフットワークを行い、2,3回続いたら、あとはフリーにするというものだった。
少し余談になるが、このフットワーク練習についてもう少し書いておきたい。
この本が出された頃、松富さんのクラブではマシンを使って、2本1本で回すのではなく、2本2本で練習をされていた。マシンに入る順番にも気を使っておられて、基本的に上手い者から4,5人組で打たせられていた。次の子は、前の子が動くフットワーク(足元)を見ながら、ボールを使わないフットワークをするのだが、この順番にさえ気を使って、効率的な練習を組み立てておられるのに大変感動したことを覚えている。なお、松富さんには直接聞き損ねたのだが、2本2本だと、左利きでもマシンで同じパターンで出し続けられることや、初心者には回り込みを省いて、バック側はバックで、フォア側はフォアで打たせられていた。それに加えて、フォア側をフォア側に回り込んでバックハンドで回り込む練習もされていたのも印象に残っている。これらのことを考えて2本2本にされていたのだろうな、と勝手に考えていた。
しばらくして、青森山田の練習を見学させていただいた時には、吉田先生がこの2本2本をされていた。なぜスウェーデンの2本1本でなくて2本2本だったかというと、フォアが大切なので数を増やしているというような話だったと思う。
いずれにしろ、どちらが先にしたとかではなくて、それぞれ独自にファルケンベリを変形した2本2本の練習をされていたのは、優れた指導者の考えには何かしら共通のものがあるときがあるのだ、と実感したものであった。
また、グリップについても印象が深く、フォアハンドグリップとバックハンドグリップの特徴と長所、短所が書いてあったのをよく覚えている。なお、このフォアハンドグリップ、バックハンドグリップという言葉自体も、この本で知ったような気がする。

以下、目次をあげておきたい。
1.男子卓球の世界の流れとスウェーデンの発展
2.スウェーデンナショナルチームの技術練習
3.卓球における戦術
4.体力トレーニング
5.スウェーデンナショナルチームの自信
6.ダブルス
7.バックハンド技術
付 スウェーデン卓球王国の興亡(荻村伊智朗)

なおこの付で、荻村さんは「スウェーデン卓球の没落」と題して、考えられる没落の原因を書いておられる。この2番目で「30歳を越えた選手の練習量や練習ぶりを、10代や20代前半の選手が「あれが卓球の練習だ。あれで世界に勝てるのだ」と信じたとき」ということを書いている。実際にあたっているのかどうかは知らないが、スウェーデン卓球の全盛期と思える1991年に書かれたこの本に、没落という言葉を使って予想しているのは、さすがに荻村さんはすごいなと感じた。
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